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CRMリーディングカンパニーである アーティサン株式会社 CRM事業部 の最先端 CRM ブログです。

勘定科目(Chart of Accounts)について – ERP製品の違いを整理してみる(3)

time 2017/07/08

みなさん、こんにちは。

ERPの違いについて整理してみる第3回です。
今回も、中堅中小企業向けERPのDynamics® NAVと大企業向けERPのDynamics 365 for Operationsの比較となります。

今回は、会計周りの設定についてです。(いよいよ業務領域に踏み込んでいきます。) 会計周りの設定といっても、企業の会計期間や、事業セグメントや部課等々の財務分析用の設定、通貨・為替レートや勘定科目等、ベースとなる設定としても複数の種類に渡りますので、今回はその中で勘定科目(COA: Chart of Accounts)について触れてみたいと思います。
なお、文中意見に渡る部分については、本稿執筆者の私見を含むことをお断りします。

勘定科目の位置付け

勘定科目はお金の出入りを記録する際に用いる名目、名称で、ERPを会計業務で利用する際には、この勘定科目の登録が必要となります。
勘定科目を登録することで始めて、仕訳の入力や販売や購買等の取引毎に自動で仕訳を発生させることが出来るようになります。

製品による勘定科目の違い

ERPには、複数の会社の取引および会計情報を個別に管理できる特徴を持っています。
鉄道事業を営む企業グループを例にとると、旅客鉄道事業の他にも、バスや不動産、旅行サービス事業を手掛ける為に会社を分けて事業展開していることが多いと思いますが、ERPを利用すると1つで旅客鉄道事業会社、バス会社、不動産会社、旅行サービス会社が別々に同じシステムを利用出来る仕組みを持っています。
Dynamics NAVおよびDynamics 365 for Operationsも、もちろんこのような仕組みです。

別々に利用するとなると、システムを利用する為の設定も会社毎が基本となりますが、勘定科目におけるDynamics NAVとDynamics 365 for Operationsの違いは、ずばり会社間で共有出来るか、出来ないかとなります。
Dynamics NAVは、会社毎に利用する勘定科目を1社ずつ設定していかなければなりませんが、一方で、Dynamics 365 for Operationsでは会社間で共有する仕組みが備わっています。

Dynamics NAV の勘定科目設定

会社で利用する勘定科目を会社に対して1つ1つ登録していきます。
会社間で共有する仕組みがありませんので、例えば2社で同じ勘定科目を利用する場合でも、それぞれの会社で勘定科目の設定(および維持)を行わなければなりません。

Dynamics 365 for Operationsの勘定科目設定

勘定科目表(下図①: ArtisanCOA)を作って、その中に勘定科目を登録していきます(下図②)。会社で利用する勘定科目の設定は、勘定科目表(下図①)と会社を紐付ける手法の為、会社間での勘定科目の共有が可能となります。

実はこのような共有(Shared)の仕組みは、Dynamics 365 for Oparationsでは、勘定科目だけで無く至るところで備わっており、この辺りも大企業向けと謳われる所以だと理解出来ます。今後のERP製品の違いでも、共有出来る、出来ないが話に上がることが多くなると思います。

企業グループでもグループ各社は全く異なる業種で勘定科目の共有が難しい場合であったり、単一企業でのERP利用あれば、Dynamics NAVの機能性で満足出来るものだと思います。先に例に挙げた鉄道事業の企業グループ等、大きな企業グループで、業種業態毎に統一勘定科目を採用する、若しくはそれを目指している企業に対して、Dynamics 365 for Operationsは比較的有用ではないかと思います。
なお、Dynamics NAVの勘定科目では、勘定科目設定の一覧画面で、当期発生額や残高という試算表情報の照会が可能なことから、製品がコンパクトに纏まっていて、ユーザビリティが高そうな印象を持てました。(Dynamics 365 for Operationsでは、試算表機能は勘定科目とは別個で備わっています。)

< 取引入力後のDynamics NAV勘定科目一覧画面 >
右2列が当期発生額と残高となります。

以上、ERP製品の違い・勘定科目(Chart of Accounts)についてでした。

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Yasuhiko Sugihara

CRM事業部 ITコンサルティング部 マネージャーアーティサン株式会社
SIer、パッケージベンダー、システム開発会社を渡り歩き、あらゆる角度からERPビジネスに携わる。 グローバルでのビジネスキャリアが長く、アジア圏、特に東南アジアに精通しておりローカライゼーションを得意としている。

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