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Power Apps × SharePoint:500/2,000件の壁を超えるためには(委任回避方法)? 第2回|ForAll・Sequence関数で2,000件超のデータを全件取得する実装コード

この記事の3行要約

  • Power Appsでは、SharePointなどのデータソースから一度に取得できるレコード数に「500件(既定)〜最大2,000件」という上限がある
  • 連載第2回では、前回作成したsubID列を使い、ForAll関数とSequence関数でループ処理を行うことで2,000件を超えるレコードを全件取得する実装コードを解説
  • 10,001件のSharePointリストを例に、パフォーマンス面の注意点も含めて紹介

Power Appsで大量データを扱う設計は、パフォーマンスや保守性の面でも判断が分かれるポイントです。自社でのアプリ内製開発を進める中でこうした設計判断に迷った際は、以下のサービスもあわせてご確認ください。

こんにちは。アーティサン株式会社の小刀稱(ことね)です。

この記事を書いた人
小刀稱知哉

小刀稱 知哉ことね ともや

SharePoint Power Platform全般 Copilot Studio 技術アドバイス・教育支援

Power PlatformやSharePointを中心に設計・開発・アドバイス・教育まで幅広く担当しています。内製化をご希望の場合はお気軽にお問い合わせください!

2025 Microsoft MVP(Power Apps・Power Automate) 2026 Microsoft MVP(SharePoint・Power Automate)
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※内容を一部修正しております。(2023年12月)

Power Appsでアプリを作成する際、気をつけなければならない1つの事項としてデータソースから取得できるレコード数の上限があります。

Power AppsはDataverseやSharePointなどから一度に最大2,000件(デフォルトでは500件)のレコードしか取得する事ができません。

よって、委任できない検索条件を用いた場合や、検索後も2,000件を超過するような場合は、全てのレコードを取得する事ができないということになります。

※委任に関する詳細については、過去にブログを作成したことがあるので、以下URLを参照してください。

しかし、どうしても2,000件以上のレコードを取得したい場合があります。

よって、今回は500/2,000件以上のレコードを扱いたい場合の方法について紹介します。
内容としては、Power Appsの中級者の方に向けた記事となっております。

**注意**

今回紹介する方法は大量データを扱うため、パフォーマンスが大きく低下する可能性があります。

よって、全面的におすすめしている訳ではありません。
(そもそも「データ件数が2,000件を超過しないようにする」という解決策もあると思います。)

あくまでも解決策の1つとして参考にしてください。

前回のブログでは、Power Appsで500/2,000件以上のレコードを扱いたい場合の方法について、実装までの流れを紹介しました。

今回はReloadボタンのOnSelectプロパティの内容について、詳細について深掘りしていきます。

 

やりたいこと(前回のおさらい)

まずはやりたいことについて、おさらいします。
構成は以下となっております。

Power Apps × SharePoint:500/2,000件の壁を超えるためには(委任回避方法)? 第2回|ForAll・Sequence関数で2,000件超のデータを全件取得する実装コード
構成

データソースはSharePointリストです。

今回は、「大量にデータが保存されているSharePointリストから、Power Appsを用いてその内容を検索する」ということを行います。

SharePointリストの詳細は以下です。

リスト名:LargeList

列名(外部名)

列名(内部名)

データ型

タイトル

Title

1行テキスト

詳細

Description

複数行テキスト

subID

subID

数値

※「subID」列は、前回のブログのStep3:subID列を追加し、委任に関する警告を解消にて追加しました。

また、SharePointリストには10,001件のレコードを保存しております。

Power Apps × SharePoint:500/2,000件の壁を超えるためには(委任回避方法)? 第2回|ForAll・Sequence関数で2,000件超のデータを全件取得する実装コード SharePointリスト
SharePointリスト

Power Appsの取得できるデータ行の設定も以下のように変更しております。

Power Apps × SharePoint:500/2,000件の壁を超えるためには(委任回避方法)? 第2回|ForAll・Sequence関数で2,000件超のデータを全件取得する実装コード Power Appsのデータ行の制限
Power Appsのデータ行の制限

上記の設定値は、Power Appsのファイル設定全般 データ行の制限から確認することが出来ます。

※デフォルト値は500であり、最大値は2,000です。(2023年2月時点)

 

実装方法の詳細

今回は、前回のブログで作成したOnSelectプロパティ内について説明します。

作成したプロパティの内容は以下です。

ReloadボタンのOnSelectプロパティ(完成版)

UpdateContext({threshold: 2000 });
UpdateContext({lastRecord: First(Sort(LargeList,ID,SortOrder.Descending))});
UpdateContext({maxIteration: RoundUp(lastRecord.ID/threshold,0)});

Clear(colLargeList);
ForAll(
    Sequence(maxIteration, 0),
    With(
        {
            prev: Value(Value) * threshold,
            next: (Value(Value) + 1) * threshold
        },
        Collect(colLargeList, Filter(LargeList, prev < subID && subID <= next))
    )
 );

1.初期値の設定

UpdateContext({threshold: 2000 });
UpdateContext({lastRecord: First(Sort(LargeList,ID,SortOrder.Descending))});

まずは、以下3つの変数を初期化します。

  • threshold:データソースから1度に取得するレコード数

  • lastRecord:データソース内に最後に追加されたレコード

2.ループを回す回数を計算

UpdateContext({maxIteration: RoundUp(lastRecord.ID/threshold,0)});

続いて、ループを回す回数を計算します。

  • maxIteration:ループを回す回数

RoundUp()関数詳細は以下URLをご参照ください。
Round、RoundDown、および RoundUp

thresholdが2,000、かつレコード数が10,001件の場合、maxIterationは”6″となります。

3.データソースから全レコードを取得

Clear(colLargeList);
ForAll(
    Sequence(maxIteration, 0),
    With(
        {
            prev: Value(Value) * threshold,
            next: (Value(Value) + 1) * threshold
        },
        Collect(colLargeList, Filter(LargeList, prev < subID && subID <= next))
    )
);

こちらがメインの内容ですが、ForAll関数を用いて、上記で求めたループ回数分ループを回し、データソースから全レコードを取得します。

Sequence()関数については、以下URLを参照ください。
Power Apps の Sequence 関数

動作のイメージとしては、以下です。

ループ回数

Value

取得範囲

1回目

0

0 < subID <= 2,000

2回目

1

2,000 < subID <= 4,000

:

:

:

6回目

5

10,000 < subID <= 12,000

上記にて全レコードを取得することができるようになりました!

 

補足:subIDはどうやってID値をコピーするのか?

前回のブログのStep3:subID列を追加し、委任に関する警告を解消にて、SharePointリストに新しく「subID」列を追加し、ID値をコピーすると記載しましたが、実際どのように実装するのか?と思った方がいらっしゃるかもしれません。

詳細は省きますが、基本的には以下2通りで実装する事が多いのかなと思います。

案1. Power AppsでSubmitした後、フォームコントロールのOnSuccessプロパティにて、subIDにLastSubmit.IDをコピーする

イメージとしては、以下です。

UpdateIf(LargeList, ID = Form1.LastSubmit.ID, {subID: Form1.LastSubmit.ID})

案2. Power AutomateでSharePointリストを監視し、レコードが作成された場合、subIDにID値をコピーする

イメージとしては、以下です。

Power Apps × SharePoint:500/2,000件の壁を超えるためには(委任回避方法)? 第2回|ForAll・Sequence関数で2,000件超のデータを全件取得する実装コード Power AutomateでIDをsubIDへコピーする
Power AutomateでIDをsubIDへコピーする

 

おわりに

今回は、Power Appsで500/2,000件以上のレコードを扱いたい場合の方法について紹介しました。

M365のライセンス内で、SharePointを用いてPower Appsのアプリを作成したいという要望は多いと思いますので、 本内容が少しでもお役に立てれば幸いです。

ただし、冒頭でも記載した通り、今回紹介する方法は大量データを扱うため、パフォーマンスが大きく低下する可能性があります。 よって、全面的におすすめする方法ではありません。
解決策の1つとして参考にしてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

SharePointを用いたPower Appsアプリの設計・実装でお悩みの際は、以下より各種サービスをご確認ください。

 

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